Diverse技術研究所

Dating Scienceについて

消極性研究会×Diverse技術研究所 共同ナイトセッション@HCI研究会

8月29、30日 山口県下関市の源平荘にて行なわれた「HCI研究会」に、消極性研究会とDiverse技術研究所が共同でナイトセッションを開催いたしました。

HCI研究会

HCI研究会はHuman Computer Interactionという人間と機械との相互作用についての研究発表を行う研究会です。主に可視化や、仮想/拡張現実マルチモーダル表現技法などの計算機を用いた新たな研究成果について議論を行っています。

今回のテーマは「消極なインタラクション」でした。これはDiverse技術研究所の栗原が設立した消極性研究会が研究・発展させてきた研究領域であり、消極性研究会ではない研究者も消極性について研究をついて行った画期的な会でした。詳しい報告は栗原のブログで紹介しています。

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ナイトセッション

今回のHCI研究会では日中に限らず、夜に行うナイトセッションが開催されました。ナイトセッションは「積極性とインタラクション」という表題のもと、Diverse技術研究所と消極性研究会の共同で運営しました。

 技術研究所からは「Dating Scienceとアプリの現状」を発表しました。

Dating Scienceの現状

Dating Sicenceは研究領域としての歴史が浅いため、現状について紹介しました。序盤では「2010年時点での交際・結婚した相手との出会いのきっかけ」について触れ、インターネットがきっかけと回答した人が10%に達しそうというデータ(内閣府)を見せると驚きの声が上がりました。

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 さらに30代都市部に住む男女に絞ってデータを見ると、インターネットがきっかけになったケースは多く見られ、特に男性では18.2%と、アメリカの利用率と同等の傾向があります。

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Dating Scienceの歴史

Dating Scienceの歴史を振り返ると大きなポイントが2つ存在します。一つは1959年にStanford大学が発表した世界初のマッチングアルゴリズム。そしてもう一つは2006年にCHI 2006(世界最大のHuman Computer Interactionの学会)でLoving me Loving youというDating に関するセッションが開かれたことです。

当時のHCI系で研究されていたDatingは主に遠距離恋愛支援で、離れているカップルに存在感を提示し、寂しさや、コミュニケーションの促進を目的にしているものがほとんどでした。これに対し、Diverse技術研究所では近距離恋愛支援を提案しています。我々は対面状態で発生するコミュニケーション齟齬や、より高次元のコミュニケーションを目的とした複数のプロジェクトを現在研究していることを紹介しました。

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日本のDatingサービス

学術分野からサービスサイドの話に移り、サービスについて「積極性」「消極性」の面から紹介しました。Datingサービスの多くは男性から積極的にアプローチするものが多いです。それは決してサービス側が主導しているわけではなく、文化的なものだと考えられます。一方海外のtinderは両者のスワイプによってマッチングが成立し会話がスタートするため、男女ともに積極性の高いサービスです。

最近はBumbleやPoiboyのように女性が主導権を握るサービスが増えており、サービスを積極性と消極性とに分類することで、サービスの特徴が見やすくなっています。

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また、今回の発表会に合わせてご用意したDiverse技術研究所オリジナルラベルを施したビールも好評でした。

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